2009-07-02

2009年6月の読書メーター

読書メーターのまとめ機能で2009年6月の記録を掲載。

6月の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1347ページ

クラシックシリーズ11  千里眼 ブラッドタイプ 完全版 (角川文庫 ま 26-74 クラシックシリーズ 11)クラシックシリーズ11 千里眼 ブラッドタイプ 完全版 (角川文庫 ま 26-74 クラシックシリーズ 11)
読了日:06月19日 著者:松岡 圭祐
黙星録 2 (2) (ハヤカワ文庫 JA オ)黙星録 2 (2) (ハヤカワ文庫 JA オ)
読了日:06月14日 著者:荻野目 悠樹
天使と悪魔 (下) (角川文庫)天使と悪魔 (下) (角川文庫)
読了日:06月13日 著者:ダン・ブラウン

読書メーター

2009-06-29

第80期棋聖戦第3局

名人戦を防衛したばかりの羽生棋聖だが並列進行中の棋聖戦はまだ終わっていない。
第3局は愛知県豊田「ホテルフォレスタ」での開催だが、名人戦第7局も同ホテルで行われており、移動なしで本局に挑んだようだ。

木村八段は前局でタイトル戦初勝利を果たし、22日には橋本七段との王位戦挑戦者決定戦を制しており、上昇気流に乗っている。

戦型は相矢倉に。近いところでは第21期竜王戦第5局(渡辺○vs●羽生)と同様の展開に。ここで竜王戦では△3三桂としたが、手を変えた。△3三桂は今までの流れに沿った無難な手と言える。

後手:羽生善治棋聖
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v銀v金v玉 ・|二
| ・ ・ ・v歩 ・v金 ・v歩 ・|三
|v歩 ・v歩v角v歩v歩v歩v銀v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 銀 歩 歩 歩|六
| ・ 歩 銀 金 ・ 歩 桂 ・ ・|七
| ・ 玉 金 角 ・ ・ 飛 ・ 香|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
先手:木村一基八段
先手の持駒:なし
【手数=45 ▲9六歩 まで】

ここから△7三桂▲2五歩△3三銀引▲1七香△8一飛▲1八飛△8二飛▲1五歩△同歩▲同香△1二歩▲5八飛と進んだ。
△7三桂は一方的な守勢になるのを嫌ったか。しかし後手がら攻める手がある訳ではなく、飛車の移動で手待ちをすることに。
一方ほぼ先攻の権利がある先手は一旦1八に浮いた香車をもう一つ浮いて、端に手をつけた。これは攻めるというよりは一歩を手にするのが目的だ。
これに対する△1二歩は慎重過ぎたか。この手の意味は△1二歩に▲1七歩なら、そこで△1三歩とすることでパスするのが狙いだったそうだ。しかし▲5八飛とされて目論見は外れた。

▲5八飛の手の流れに沿って先手は5筋から動いた。呼応するように後手は8筋から動いた。互いに5筋と8筋を取り込み合う展開になって下図。
△9五歩▲同歩と端を突き捨ては意味は攻守を入れ換えるためだった。

後手:羽生善治棋聖
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v角 ・v銀v金v玉v歩|二
| ・ ・v桂v歩 ・v金v銀v歩 ・|三
| ・ ・v歩 ・ 歩v歩v歩 ・ ・|四
| 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ 歩 香|五
| ・v歩 ・ 銀 ・ 銀 歩 ・ ・|六
| ・ ・ 金 金 ・ 歩 桂 ・ ・|七
| ・ 玉 ・ 角 飛 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
先手:木村一基八段
先手の持駒:歩四 
【手数=73 ▲9五同歩 まで】

ここから△同香▲同香△6五桂▲同銀△9五角▲8三歩△同飛▲7四銀△8七歩成▲同金△6八角成▲同金△8一飛▲8六歩△5七歩▲2八飛△1三歩と進んだ。
後手が攻める展開にはなったが、先に駒を損するだけにそれなりの成果がないといけない。本譜は先手の丁寧な受けに後手が窮した感じだ。△1三歩と手を戻すようでは変調だ。

先に謝った△1二歩を攻めが途絶えたタイミングで△1三歩と突くのは羽生らしい手だとは思うが、本局では変調にしか映らない。以降は木村の鉄壁の受けだけが印象に残った。

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2009-06-28

第67期名人戦第7局

羽生名人の出力が不安定で郷田九段にチャンスありというのが第5局終了時の見立てだったが、第6局は後手郷田九段の陽動振り飛車が不発でフルセットまでもつれ込んだ。
最終局は振駒で羽生先手となった。戦型は相矢倉だが両者工夫の陣形に。先手は早囲い、後手は左美濃。3筋と7筋を互いの角で歩交換が行われ、▲7六歩としたのが図の局面。封じ手だがこれはこの一手だろう。
早めに▲4六歩を決めているのは新工夫とのこと。

後手:郷田真隆九段
後手の持駒:歩二 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・ ・v玉v銀 ・ ・|二
|v歩 ・v銀v歩 ・v金 ・v歩v歩|三
| ・v歩 ・ ・v歩v歩 ・ ・ ・|四
| ・ ・v角 ・ ・ ・ 角 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 金 ・ ・ ・ 歩 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治名人
先手の持駒:歩 
【手数=33 ▲7六歩 まで】

ここから△5三角▲4七銀△6四銀▲3六銀△3一玉▲4八飛△2二玉▲4五歩△同歩▲6五歩△3五角▲同銀△5三銀▲3七桂と進んだ。
先手は狙い通りの攻めの駒組から、囲いもそこそこで4筋から矢倉崩しの要領で先攻した。一手のロスもなく、破壊力は抜群だ。
後手は△2二玉と入城して、先手に攻めさせる方針を選択した。受けきるのは至難な感じがする。
あと気になったのは△6四銀だ。なぜ△7四銀ではないのだろうか。

案の定先手の猛攻を後手が凌げるか、という将棋となった。図は△3七角に4八の飛車を▲3八飛としたところ。

後手:郷田真隆九段
後手の持駒:歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・ ・ ・v銀v玉 ・|二
|v歩 ・ ・v歩 銀v銀 ・v歩v歩|三
| ・v歩 ・ ・v歩v金 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ 桂 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|六
| 歩 歩 銀 金 ・ ・v角 ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ 飛 ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治名人
先手の持駒:角 歩二 
【手数=59 ▲3八飛 まで】

ここから△1九角成▲4四銀成△同銀▲3三歩△同桂▲同桂成△同銀引▲3四歩△同銀▲同飛△4三銀打▲3九飛△2八馬▲3四桂と進んだ。
△1九角成は不可解。この局面に至る前に△1五角▲2六角△同角▲同歩の交換が入っているので読み筋通りなら当然△2六角成ともたれて指すと思われたので。
▲3四歩に対し△同銀と取ってしまうのは、一旦駒損しても局面を収めてしまおうという手だが、▲3四桂まで進んでみると依然先手の攻めが繋がっている。

このまま先手が攻め続けて、羽生の快勝譜となった。全体を振り返ると薄氷で防衛に成功したという感じか。
郷田にしてみれば消化不良のまま終局してしまった本局と、陽動振り飛車という作戦を選択した第6局に悔いが残る今期名人戦になった。

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2009-06-20

第80期棋聖戦第2局

今期棋聖戦の挑戦者決定戦では、新鋭稲葉四段が勝ち進んでいたことで話題となった。挑決戦では後手番の木村八段の一手損角換りに対して果敢に攻めたが、木村の受けに屈して初挑戦とはならなかった。
本局はその挑決戦と同様の進行となった。羽生棋聖が稲葉側を持っていることが興味深い。

図で稲葉は▲3四歩としたが、ここで羽生が手を変えた。

後手:木村一基八段
後手の持駒:角 歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v銀 ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩v銀 ・ ・v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ 角 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 銀 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治棋聖
先手の持駒:歩二 
【手数=32 △8二飛 まで】

ここから▲2四銀△同銀▲同飛△2三歩▲2八飛△5五銀打▲5八金△3六歩▲3八歩と進んだ。
▲2四銀はシンプルな順で挑決戦とは離れたがまだ実戦例はあるようだ。真に実戦例と離れたのは△5五銀打。木村らしい局面全体を包括するような銀打ちだ。
△3六歩に対する▲3八歩は部分的には随分損な気がする手。名人戦第5局の△5二歩までは行かないが似た雰囲気の手だ。一連の読み筋とは別次元の、現局面での最善手ということなのだろう。

少し進んで下図。歩で味付けをして、▲6四銀と技を掛けたところ。受け師の本領発揮か、はたまた先手の技が決まるのか。

後手:木村一基八段
後手の持駒:角 歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・|二
|v歩v飛v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ 銀v銀 ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・v歩v銀 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・|六
| 歩 ・ 角 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 銀 金 ・ 金 ・ 歩 飛 ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治棋聖
先手の持駒:なし
【手数=47 ▲6四銀 まで】

ここから△4四角▲5五銀△同銀▲4五銀△8六銀▲4四銀△同銀▲5六角△8七歩▲6五角と進んだ。
▲4五銀に△8六銀と互いに角取り。先手は▲4四銀と角銀交換から7七の角を放置して▲5六角とした。
△8七歩で、後手の二枚換えになりそうな局面に。実際二枚換えになったが、8七の歩と8六の銀がかぶっているため、先手も戦えるというのが羽生の読みだろうか。

図は終盤戦。▲2二歩△同金と後手陣の形を乱したところ。本局2度目の▲2二歩△同金だ。技を掛けたが決め手にならず、局面が収まりつつある。
二枚換えの後手が優勢かといえばそうでもなく、形勢は互角か。

後手:木村一基八段
後手の持駒:金 歩三 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・v金 ・|二
|v歩 馬v歩 ・v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・|四
| ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 角 ・ ・ 飛 ・ ・|六
| 歩v全 ・ 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ 歩 ・ ・|八
| 香 桂 ・ 玉 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治棋聖
先手の持駒:銀 歩 
【手数=80 △2二同金 まで】

ここから▲5九玉△4二玉▲4六歩△6五歩▲7五角△7二金と進んだ。
▲5九玉△4二玉と自陣の整備が続く。▲4六歩も8三の馬を引き付けるための手と思われるが悪手だった。△6五歩で先手は困った。△7二金で8三の馬が局面から消えることが確定して、後手勝勢に。

木村はタイトル戦初白星。一方の羽生は並列進行中の名人戦もあり対局過多なのは仕方ないところだが、相変わらず出力不安定なのが気になる。

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第67期名人戦第6局

第6局は後手郷田九段が陽動振り飛車を採用した。
後手番の勝率が上がっているのが注目されているが、原因の一つは後手番でも勝率の悪くない戦法が選択的に指されていることがあると思う。一手損角換りやごきげん中飛車がそれにあたる。
陽動振り飛車はそういう訳ではなく、現代将棋では注目されていない戦法である。古風な郷田らしい選択ではある。

図は駒組途上の局面。陽動振り飛車も振り飛車の一種なので居飛穴は天敵だ。本譜も居飛穴を警戒している。△4五歩と角道を通して、△7三桂も入城より優先している。
ここで▲8八玉は指しにくく、角道を避けて▲8八銀からミレニアムが発想としてはまず浮かぶ局面だ。

後手:郷田真隆九段
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・v金 ・ ・v飛 ・|二
|v歩 ・v桂v銀v歩v銀v角v歩v歩|三
| ・v歩v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 金 角 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治名人
先手の持駒:なし
【手数=32 △5二金左 まで】

ここから▲8八玉△5四歩▲3七桂△4四銀▲4六歩△同歩▲同角△4五歩▲5七角△6五歩▲4七銀と進んだ。
羽生名人の選択は堂々▲8八玉。最強の手で角道は怖くないと見ている。▲8八玉が成立していれば先手良しというのがこの局面の見立てだったが、これを機に後手が猛攻撃を仕掛ける順にはならなかった。
▲8八玉の継続手としては当然▲9八香から穴熊を目指す順も有力だが、▲8八玉のまま左辺で戦線を拡大した。これは先手ペースと言えるだろう。

曲線的な羽生らしい手順を経て下図になった。▲4六飛に対して、△4三歩としたところ。△4三歩は手順に一手で陣形を引き締める手で、後手挽回したか、という声もあった。

後手:郷田真隆九段
後手の持駒:歩二 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・v金 ・v飛 ・ ・|二
|v歩 ・ ・v銀 ・v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・v歩v角 ・v銀 ・v歩 ・|四
| ・ ・ ・v桂v歩 ・ 歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 角 歩 飛 銀 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 金 ・ ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治名人
先手の持駒:歩四 
【手数=68 △4三歩 まで】

ここから▲4五歩△3五銀▲同銀△同飛▲3六歩△3四飛▲4四歩△同飛▲4五銀△5六歩▲同飛△3七角成と進んだ。
▲4五歩に△3五銀は意外だった。3六の銀を相手にするのは損で、△5六歩を決めてから△5三銀したい。△3五銀は勝負手で本譜の順で二枚換えになったのは両者とも読み筋だったようだ。
少し後手が盛り返した気はするが依然先手良しだろう。

下図は終盤戦。6五の桂を▲6五飛と食いちぎったところ。先手が決めに行った局面だ。△同銀では▲8四桂で後手玉は寄っている。

後手:郷田真隆九段
後手の持駒:歩二 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金 ・ ・ ・ 龍v香|一
| ・ ・v玉v金 ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩 ・ ・v銀 歩 ・ ・ ・v歩|三
|v桂 ・v歩v銀 ・v歩 ・v歩 ・|四
| 銀 桂 ・ 飛v歩 ・ ・ ・ ・|五
| ・ 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ 歩|七
| ・ 玉 金 ・ ・v馬 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・v角 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治名人
先手の持駒:銀 桂 歩三 
【手数=105 ▲6五飛 まで】

ここから△8六桂▲7三銀△同金▲同桂成△同玉▲8五桂△8三玉▲8四歩△同馬▲同銀△同玉▲7三角△同銀▲9五金と進んだ。
△8六桂と桂を捨てるのがはっとする順で、▲同銀とすると今度は▲8四桂には△同馬とできるので△6五銀と飛車を取れる。
羽生は△8六桂を放置して▲7三銀から攻める。9五の銀を▲8四歩△同馬▲同銀と清算したので△8六桂が盤面に残る展開となった。
先手陣も受けは難しく、後手陣を寄せるしか勝ちがない状況になっているが、淀みない見事な寄せが炸裂した。▲9五金が決め手で取れば▲7三桂成が空き王手となる仕組みだ。

郷田の意外な陽動振り飛車。羽生の堂々▲8八銀。そして鮮やかな寄せの3点が印象に残る名局となった。
これで3−3のタイになり名人位の行方は最終局に持ち越しとなった。最終局も熱戦が期待できそうだ。

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2009-06-13

第80期棋聖戦第1局

木村八段が、3度目のタイトル戦登場。過去のタイトル戦は、第18期竜王戦(対渡辺竜王)と第56期王座戦(対羽生王座)だが、意外なことに未だ白星がない。ここらあたりでタイトル戦初勝利といきたいところだろう。
対する羽生棋聖は名人戦が同時進行中だ。名人戦をみるかぎり調子は良くないと感じる。

戦型は後手羽生が5筋から動く急戦調の矢倉に。角を右辺に転回するこの形は苦杯をなめた第21期竜王戦で渡辺竜王が採用して話題になったものだ。従来は急戦調だから先手に飛車先の歩を切られるのはやむを得ないと考えられていたが、△3三銀と2筋を守る感覚が新しい。
図は△4二金右としたところ。先手銀は二枚の銀を中央に繰り出し古来の感覚では美しいとされている形だ。堂々とした自然な陣形ではあるが現代の目で見れば古風と言えるかも知れない。
対して後手陣は低くて現代的な構え。色々な意味で対称的な陣形となった。

後手:羽生善治棋聖
後手の持駒:歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v金v金 ・ ・|二
|v歩 ・ ・v歩v銀v歩v銀v歩v歩|三
| ・v角v歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 銀 銀 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 金 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 玉 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:木村一基八段
先手の持駒:歩 
【手数=36 △4二金右 まで】

ここから▲7九角△2二玉▲4六角△7三角▲5五歩△8六歩▲同歩△同飛▲7九玉△4四銀右▲3六歩△1二香と進んだ。
先手は慌てず自然な手で駒組勝ちを目指す。▲5五歩と角交換を拒否したのは方針に従ったものだが、歩切れとなった。後手は飛車筋の歩交換も果たし二枚の歩をもった。
そして、△1二香。まるで渡辺竜王が羽生に乗り移ったかのようだ。

少し進んで下図。後手陣は穴熊完全体である。反面攻め味は乏しく、一旦切った8筋の歩を合わせて手待ちをしている。

後手:羽生善治棋聖
後手の持駒:歩二 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v金v桂v玉|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v銀v香|二
| ・ ・v角v歩 ・v歩 ・v歩v歩|三
|v歩v飛v歩 ・ ・v銀v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ 歩 歩 桂 ・ ・ 歩|五
| 歩 ・ 歩 銀 銀 角 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 金 ・ 歩 ・ ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手:木村一基八段
先手の持駒:歩 
【手数=70 △8四飛 まで】

ここから▲3五歩△同銀▲3三歩△同桂▲同桂成△同銀▲6八角△2二金上▲4五銀△9五歩と進んだ。
▲3五歩から動くのが機敏で、先手が戦機をつかんだ。しかし、▲6八角では過激に▲3五角と切って攻め続けるのが正解だったようだ。
先手が一呼吸ついたおかげて△9五歩と後手に攻める順が回ってきた。穴熊は桂がなくなってしまったが依然遠いという特徴は残っている。

以降は木村らしく受けに回る展開となったが、後手の攻めが繋がってしまった形になった。
将棋は後手が勝ったものの、駒組の段階では両者共先手持ちということで見解が一致していた。これが渡辺世代だとまた違った見解が得られるのかも知れない。

さて、本局は前期棋聖戦第1局第21期竜王戦第1局に続いて梅田望夫氏によるWeb観戦記が楽しめる。
過去2回のWeb観戦記は今春上梓された「シリコンバレーから将棋を観る -羽生善治と現代」にまとまった形になっている。

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2009-06-09

宇宙戦艦ヤマト復活

「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」で一旦は終止符を打たれたヤマトだが、同映画のテレビアニメ化「宇宙戦艦ヤマト2」で続編化されて迷走化してしまった感は否めない。
「さらば〜」では古代進をはじめ島明以外の主要キャラクタは全員戦死してしまうが、「宇宙戦艦ヤマト2(TV)」では方針転回。
以降「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」「ヤマトよ永久に」「宇宙戦艦ヤマト3(TV)」「宇宙戦艦ヤマト 完結編」という連作となった。

「完結編」では沖田十三は生きていた!という仰天設定まで登場したが、晴れてヤマトは沖田艦長の手でアクエリアスの海に没した。ヤマトを沈めるには海という設定と沖田艦長が必要だった訳だ。
ヤマトそのものを葬ることで今度こそ完結させるつもりだったに違いない。

その後、著作権でも一悶着あったりして、復活編という機運はあったものの、完全に立ち消えになったかと思われていた。

あれから17年、古代進38歳の設定で宇宙戦艦ヤマトは復活の運びとなった。

おおらかな気持ちで見守りたい。

- 宇宙戦艦ヤマト復活篇オフィシャルサイト
- 復活編(YouTube)

2009-06-06

第67期名人戦第5局

第5局は秋田県秋田市「秋田キャッスルホテル」で行われた。数多のタイトル戦を戦い抜いてきた羽生名人にとっても秋田県でのタイトル戦は初めてとのこと。これで羽生は47都道府県で戦ったことのない県は宮崎県のみとなった。東国原知事、何とかなりませんかね。

将棋は横歩取り系。図は先手郷田九段が3六の飛車を▲2六飛としたところ。一触即発の緊張感漂う局面だ。
角交換から△4四角の筋が見えるが大丈夫と見ている。

後手:羽生善治名人
後手の持駒:歩二 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v銀 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v角 ・v歩|三
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|六
| 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ 玉 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手:郷田真隆九段
先手の持駒:歩三 
【手数=21 ▲2六飛 まで】

ここから△8八角成▲同銀△4四角▲2四飛△3三桂▲5五角と進んだ。
後手は前述の順を決行。△4四角に対して▲2四飛は唯一の手のようだ。▲5五角が郷田の試してみたかった手。アクロバティックな応手が続く。

ほんの少し進んで下図。飛車角交換から△2七飛と飛車をおろしたところ。次の一手が好手だった。

後手:羽生善治名人
後手の持駒:歩二 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・ ・ ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩 馬v歩v桂 ・v歩|三
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩v飛 歩|七
| ・ 銀 金 ・ 玉 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手:郷田真隆九段
先手の持駒:角 歩四 
【手数=32 △2七飛 まで】

ここから▲2三歩△5二歩▲7五馬△4四飛▲8二歩△同銀▲1八角△2五飛成▲6三角成△7一金と進んだ。
▲2三歩が好手。これで既に後手が痺れている。△5二歩は封じ手だが、羽生にとって辛い手となった。ここまで緩まない応手の連続だが、△5二歩は劣勢を受け入れて、チャンスを伺う方針だから。
以下後手陣を乱しつつ二枚目の馬を作って先手好調。いかに羽生と言えども逆転の可能性がほとんどないほど形勢は離れてしまった。

手数は長いものの、以降ノーチャンスで郷田の快勝譜となった。

本シリーズで初めて先手に白星がついた。ここまでの5局を振り返ってみると羽生の調子がおかしい気がする。名人位防衛に黄信号が灯った。

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2009-06-02

2009年5月の読書メーター

読書メーターのまとめ機能で2009年5月の記録を掲載。

5月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1249ページ

超人ロック ニルヴァーナ (1) (ヤングキングコミックス)超人ロック ニルヴァーナ (1) (ヤングキングコミックス)
読了日:05月26日 著者:聖 悠紀
天使と悪魔 (中) (角川文庫)天使と悪魔 (中) (角川文庫)
読了日:05月20日 著者:ダン・ブラウン
天使と悪魔 (上) (角川文庫)天使と悪魔 (上) (角川文庫)
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読書メーター

2009-05-29

訃報:栗本薫氏

グインサーガは未完の大作になってしまった。ランドックとはいったい何だったのか。色んな事が謎のまま。つい最近アニメの紹介をしたばかりなのに。

読者としては途中でリタイアしてしまったが、刊行される度に書店で手に取ってあとがきだけは読んでいた。
グインサーガのあとがきは氏の近況報告のようなものであり、近年は膵臓癌で体調を煩っている様子が伺えた。しかし、この人はグインサーガを書き上げるまでは大丈夫だろうと楽観視させる雰囲気があった。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

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