第80期棋聖戦第3局
名人戦を防衛したばかりの羽生棋聖だが並列進行中の棋聖戦はまだ終わっていない。
第3局は愛知県豊田「ホテルフォレスタ」での開催だが、名人戦第7局も同ホテルで行われており、移動なしで本局に挑んだようだ。
木村八段は前局でタイトル戦初勝利を果たし、22日には橋本七段との王位戦挑戦者決定戦を制しており、上昇気流に乗っている。
戦型は相矢倉に。近いところでは第21期竜王戦第5局(渡辺○vs●羽生)と同様の展開に。ここで竜王戦では△3三桂としたが、手を変えた。△3三桂は今までの流れに沿った無難な手と言える。
後手:羽生善治棋聖
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v銀v金v玉 ・|二
| ・ ・ ・v歩 ・v金 ・v歩 ・|三
|v歩 ・v歩v角v歩v歩v歩v銀v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 銀 歩 歩 歩|六
| ・ 歩 銀 金 ・ 歩 桂 ・ ・|七
| ・ 玉 金 角 ・ ・ 飛 ・ 香|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
先手:木村一基八段
先手の持駒:なし
【手数=45 ▲9六歩 まで】
ここから△7三桂▲2五歩△3三銀引▲1七香△8一飛▲1八飛△8二飛▲1五歩△同歩▲同香△1二歩▲5八飛と進んだ。
△7三桂は一方的な守勢になるのを嫌ったか。しかし後手がら攻める手がある訳ではなく、飛車の移動で手待ちをすることに。
一方ほぼ先攻の権利がある先手は一旦1八に浮いた香車をもう一つ浮いて、端に手をつけた。これは攻めるというよりは一歩を手にするのが目的だ。
これに対する△1二歩は慎重過ぎたか。この手の意味は△1二歩に▲1七歩なら、そこで△1三歩とすることでパスするのが狙いだったそうだ。しかし▲5八飛とされて目論見は外れた。
▲5八飛の手の流れに沿って先手は5筋から動いた。呼応するように後手は8筋から動いた。互いに5筋と8筋を取り込み合う展開になって下図。
△9五歩▲同歩と端を突き捨ては意味は攻守を入れ換えるためだった。
後手:羽生善治棋聖
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v角 ・v銀v金v玉v歩|二
| ・ ・v桂v歩 ・v金v銀v歩 ・|三
| ・ ・v歩 ・ 歩v歩v歩 ・ ・|四
| 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ 歩 香|五
| ・v歩 ・ 銀 ・ 銀 歩 ・ ・|六
| ・ ・ 金 金 ・ 歩 桂 ・ ・|七
| ・ 玉 ・ 角 飛 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
先手:木村一基八段
先手の持駒:歩四
【手数=73 ▲9五同歩 まで】
ここから△同香▲同香△6五桂▲同銀△9五角▲8三歩△同飛▲7四銀△8七歩成▲同金△6八角成▲同金△8一飛▲8六歩△5七歩▲2八飛△1三歩と進んだ。
後手が攻める展開にはなったが、先に駒を損するだけにそれなりの成果がないといけない。本譜は先手の丁寧な受けに後手が窮した感じだ。△1三歩と手を戻すようでは変調だ。
先に謝った△1二歩を攻めが途絶えたタイミングで△1三歩と突くのは羽生らしい手だとは思うが、本局では変調にしか映らない。以降は木村の鉄壁の受けだけが印象に残った。



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