第57期王座戦第2局
第2局は、山崎七段の一手損角換りに先手羽生王座が棒銀で対抗するという将棋になった。
図は▲2四歩と飛車先の歩を交換したところ。力戦派の山崎なので△2三歩はないだろうと予想していた。
後手:山崎隆之七段
後手の持駒:角 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
| ・ ・v歩 ・v歩v金 ・ ・ ・|三
|v歩v歩 ・v歩v銀v歩v銀 飛v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 歩 銀 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治王座
先手の持駒:角 歩二
【手数=35 ▲2四同飛 まで】
ここから△2三金▲2八飛△2七歩▲同飛△3八角▲2八飛△4九角成▲1六角△2七歩▲同角△3九馬▲5六歩と進んだ。
案の定△2三歩ではなく△2三金だった。後手は▲2八飛に△2七歩と叩いて強引に馬を作り行った。歩切れになったが後手の馬は最悪でも飛車と刺し違えることできる。
△3九馬の局面は手が難しいが、▲5六歩はプロっぽい手だ。
後手は2段目がスカスカなのを逆手に取ってどこかで8二の飛車を2筋に振る転回にしたいところだ。
少し進んで下図。この間、大駒交換の折衝もあった。△2九飛と飛車をおろしたところ。ここは△2二飛も指してみたいところだがどうだろう。
後手:山崎隆之七段
後手の持駒:桂
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v玉 ・ ・ ・v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・ ・v歩 ・v歩v金 ・ ・ ・|三
|v歩v歩 ・v歩 ・v歩v銀 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ 歩v銀 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 ・ 歩v金 ・ 歩|七
| ・ 玉 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 角 銀v飛 香|九
+---------------------------+
先手:羽生善治王座
先手の持駒:角 桂 歩四
【手数=64 △2九飛 まで】
ここから▲3五歩△3九飛成▲1六角△6九銀▲6八金右△6五桂▲6六銀△1五歩と進んだ。
▲3五歩が羽生独特の幻惑の手だ。時間切迫の中このように選択権を渡されると迷ってしまう。先に▲1六角だと、△2五銀がないが、ここでは△2五銀とする手も魅惑的に見える。しかし山崎はさほど迷わず△3九飛成。強い手だ。
△6九銀▲6八金右としてから△6五桂。山崎も負けてはいない。取れる金を取らずに△6五桂と相手に手を選択させる羽生流の間合いで応じた。
ここで羽生が間違えた。週刊将棋によると▲6六銀は失着とのこと。本譜は△1五歩だったが、△2二飛ならば後手優勢だった。
なんと言う羽生の強さ。羽生が強いのは今更言うまでもないが、王座戦の強さは半端ではない。
渡辺竜王もタイトル戦の初舞台である第51期王座戦で羽生王座の洗礼を受けている。山崎の初挑戦も羽生王座の壁に屈っしてしまうのか。
なお、棋譜中継は英語版も用意された。このようなグローバルを意識した試みは大賛成だ。
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